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2016年1月20日(水)

『東京以外はなべて「男尊女卑」なのだろうなとぞ、思う』

 
 

 
暖冬だなぁと思っていたら、いきなり雪が降ってきたりして、過ごしにくい季節です。早く春が来ないかな。うう。
 
我が家の猫たちも日がな1日丸くなって寝ており、夜も人間といっしょに人間のように布団をかけて隣でぐーすーぴーと寝ているしで、結果的に「 24時間ほとんど寝たきり」です、冬は。
そんなんでいいんでしょうか、猫ってぇ生き物は…。
 
さて、猫どもも含め関西在住もまだ1年半なんですが。
最近になり、つくづく痛感したことがあります。
もしかして
 
 
「関西地方、男尊女卑じゃあーりませんか!?」
 
 
多分これ、関西どころか「東京都心以外の日本全国、あまねくすべて」なのだろうと思われます。ただまあ、現在自分は関西在住ですので、一応こう第一声を放ってみたまで。
こういうのって誰も指摘しなければ指摘しないままに、井の中の蛙、自分たちがしていることに何ひとつ不条理はないと思い込んだまま、世界的に見れば
 
「未開人の国ですか」
 
状態に堕ちていくわけですよ。いやはや本当に。
 
 
ここでちょっと「 2015年/男女平等度ランキング」を見てみましょう。1位のアイスランドから最下位のイエメンまで、 145カ国の「男女間の平等度」です。
 
1位  アイスランド
2位  ノルウェー
3位  フィンランド
5位  アイルランド
6位  ルワンダ
7位  フィリピン
8位  スイス
9位  スロベニア
10位 ニュージーランド
11位 ドイツ
12位 ニカラグア
13位 オランダ
14位 デンマーク
15位 フランス
16位 ナミビア
17位 南アフリカ
18位 イギリス
19位 ベルギー
20位 ラトビア
 
この先アメリカは 23位、カナダは 30位、オーストラリアは 37位、イタリアは 41位…などという順位となっております。となると腐っても先進国、文明国家たる我が国ニッポンは、4~50位台かなあ? などと思っていませんか。
 
とんでもねえです、
 
 
101位です。
 
 
これでも一昨年の 142か国中 104位からはビミョ~に順位を上げたことには、なっとりますが。
 
このあまりのランキングの低さは、主に「政治分野における女性人員の少なさ」および「女性管理職の少なさ」が原因のようですが、そうは言ってもこれ「卵が先か鶏が先か」話でもあり。
一人一人の意識が相も変わらず「男尊女卑」のままなら、国政に参画する女性も出なかろうし、ビジネスで成功しようと奮闘する女性も増えやしまへん。
当たり前。
 
あくまで私の場合ですが、東京都内で 15年以上仕事していて「男尊女卑」を感じたことはまったくありませんでした。
出版業界は女性編集者やクリエーターが多く、男女の区別をする場面が存在しないと言ったほうが良く、職業柄という見方も出来ますが。
蛇足ながら、 20代からシングルマザーの私はそれを「売り」に本を書いたりしてきた強みでこそあれ、母子家庭を理由に差別を受けた覚えもありません。
そういう意味で、東京都心部は「男女平等でありたい」もっと言えば「差別は良くない」という意識はせめて「建前としては存在する」とは、言えます。
(差別がない、とまでは申し上げません。あるでしょう)
 
対してごく一部地域であろう東京都心部を除く全国、今はっきりと言及できるのは関西圏。…は一体全体、どうなっとるのでありましょうか。
 
生まれてから長らく首都圏で過ごした自分のような者の目には、同じ国とは思えない…いやいや同じ「時代」とは思えないような出来事に次々出くわし驚愕いたしました。なんなんですかね、んとーに。
 
例えば、昨年秋に私の名義でとある賃貸物件の賃貸契約をしたのですね。
 
しつこく書きますが契約者は私ですよ。
 
となると不動産業者は、「契約者と」打ち合わせするのが当たり前なのであり、電話連絡などは私のほうに寄越す…が通常の流れではありませぬか。
それがまあ、どこをどう勘違いすればそうなるのかまったく意味がわかりませんが、不動産業者はなんと
 
「私のパートナーに電話連絡してくる」
 
のです。
相手方にも伝えてありますが、我が家は長年の「選択的事実婚」状態で、法律上は夫でも妻でもありません。要するに他人。
二人で店頭を訪れ、彼が保証人になっているとはいえ、何度も言いますけど契約者は私です。
 
かような、保証人とはいえ続柄的には他人に過ぎぬ人間に対し、単に
 
「男性である」
 
というだけの理由で、契約者はさておき、電話連絡すべし。これが関西圏の常識らしいです。ぶったまげ。
 
毎度持ち出したくなるこれ→明治初期までの「女性は一人前にあらず」「女性は一切の決定権を持たない無能者とする」という概念と、何が違うのでしょうか。同じじゃん。
 
あるいは、窓の鍵が壊れたので修理業者に依頼する。などの場面においても。
私が電話した時にはガンとして「それは承れません」と断っていた依頼が、パートナーが架電し直し同じ依頼をしたところ、いともすんなり通りやがりました。
これまた
 
「男性である」
 
というだけの理由で、業者側が便宜を図った一例であると思われました。
 
このような例は枚挙に暇がありません。
 
とかく、
 
「女性は正式ではない」
 
という意識が、とんでもなく根強いのだと。
女性は正式ではない生き物で、常に男性に添えられているオマケみたいなもの、益になるとしてもせいぜいが「サポート役」くらいなのだという位置付けだからこそ、まともに相手にしない。
これが常識になったまま、誰に指摘されることもなく、めんめんと現在に至っているのが関西圏。と実感。
 
ただしこの常識をヨシとしているのは男性に限った話ではなく、女性もまた「それでいいの。ダンナの後ろを1歩も2歩も下がってついていきたいの、私」と至極日常的に受け入れているのは
 
「嫁」
 
と呼ばれて平気の平左であることからもわかります。
「嫁」って呼称、女性蔑視目線ばりばり入ってますよ、それ…。
お暇な時にでも、江戸期から明治期の日本の結婚の歴史を紐解いてみたりしては、いかがでしょうか。
 
 
昨年 11月、 10年ぶりに政権交代したカナダ自由党のジャスティン・トルドー首相は、新内閣の閣僚数を男女同数にし、その理由を尋ねられ
 
2015年だから」
 
と答えた、と話題になりました。
 
(折しも、ご近所台湾では女性総統が誕生いたしましたりなぞ)

対してこの、文明国とも呼べやしない「日本村」は一体、西暦何年なんでしょうか…?
 
 
 
 

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しばざきとしえ

イラストレーター兼
コミックエッセイスト。
セツモードセミナー卒。
女性誌に実際の取材によるイラストルポを描いたり、自身の体験をもとに
エッセイマンガを書籍化するなど幅広く活動中。
キャラクター作家の顔も持ち、脱力系キャラ「ウサワカメ」の商品化も多数。

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しばざきとしえの著書

 
▼コミックエッセイ
「オトナ婚」
(エンターブレイン)
▼コミックエッセイ
「離婚1年生」
(アース・スターエンターテイメント)
▼コミックエッセイ
「思春期っ子はみんなバカ!」
(ぶんか社)
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「めおとFX」
(パンローリング)
▼キャラ本
「フーラリフラフラウサワカメ」
(gakken)
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「じつはウチ、フランス婚」
(モバイルメディアリサーチ)
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