2015年10月15日(木)
「地下鉄の般若」
こんにちわかめ。
京都は秋です。
秋こそが最高です。
決して、春ではないです。
秋が壮絶にワンダフルです。
何が、って、べつに寺とか神社が「イイ」ってぇんじゃないです。
(観光地には1年住んだ今も、あんまり行ってません)
そんな、たかが「人間が拵えたもの」じゃなくて、空気です!
空気がすげえ!
芳しいというのか、清々しいというのか、神々しいというのか、もう、あらゆる
賞賛を惜しまぬ美辞麗句、いくら放っても追いつかん。なんでしょうか これ
は。去年、五山の送り火直後に転居してきた際も「天国かここは!」と驚愕した
ことを覚えています。
本当に美しい。何が、って空気が、です(笑。
ああ、いいなあぁ。。。
そして、やがて冬がやってくると今度は一転「地獄」です。文字通りの。
東日本では経験したことのないような底冷え。「息を吸うと喉が寒い」ってなん
すかそれ!!聞いてねえよ!!!そして、寒いもんだから暖房すれば今 度は結
露とカビ地獄。去年の冬はマジで死ぬかと思った。今年もどうなるか分からぬの
です。
うへえ。
やだなあ冬。
っていうか京都さんよ~
極端だよアンタ!
ほんと極端!
あらゆることが極端!
四季が「肌身にしみる」って、他の土地ではあんまり無いのかもしれんですね
え。いや、知らんけど。
ところで、私は京都の地下鉄をよく利用します。
夏頃の話です。
向かいの女性がものすごく眉間にシワを寄せてスマホを見ていてギョッとしました。
まさに般若の形相。
怖いよ。
どうせただゲームやってっかSNS眺めてるだけでしょーよ、それ。
なんでそんな顔しなきゃいけないのだか、ここは自宅ではなく車中だということ
を思い出してほしい。と私は思いました。
しかしこの女性をさらに観察していたら、見れば見るほどますます不愉快になり
我ながら困った。
理由は服装。
一見して「汚い」とか「みっともない」レベルでは全然なく、むしろ普通です。
その辺を歩いていても気に留める人はいないでありましょうだがしか し。この
方の服装はふわっとした花柄のワンピースに淡いグレーのカーデガン、というど
ちらかというと「草原系」なのね。
それはいいだろう。問題は他の部分です。
髪のリボンは黒に近い茶色で、ちょっと光沢があるような、どっちかというと
「夜のおでかけ系」。
バッグは、黒のフェイクレザーでテロテロしたB4サイズくらいは入りそうなシ
ロモノで、薄ぼけたよな金のバックル付き・意味不明な青いライン入 り、とい
うバッグとしては実用以外の何の意味もない、言うなれば「やる気のないビジネ
ス場面系」。
そして足元はというと、ワンピースが膝下10センチほどの丈のところへ、丈ぎり
ぎりの黒のハイソックスを履き込んでおられます。ワンピースと靴下 の間に肌
が5~6センチ見えてる状態。これは一番やってはいけない「商店街のおばさん
における絶対領域」でありましょう。
靴は、リボンのついたフラットシューズで茶色のチェック柄、もはや何系とも言
い難い「フリマで5円で買った」みたいな雰囲気のやつです。
見れば見るほどじわじわと不快になるのはこの「全体のわけのわからなさ」なの
でありました。パーツを見ればどうということはないけれど、なぜそれ とそれ
とそれを「合わせちゃったのか」と。
少なくとも
・髪のリボンを白っぽい色に
・足元は素足・軽いイメージのサンダル
・籠バッグ
にしとけばさぞかし「整合性」はとれていたでしょうに。「コーディネートは
こーでねえと!」と叫びたくなった夏の日の私でした。
、、と、ここまで書いて思いましたが、この方の髪は長くて真っ黒、毛の量は少
なめ。
おおよそ「草原系」ファッションは似合わないのだなぁ~。ああ。
うーむいやいや、髪もさることながらやはり、顔が怖すぎ。というのが諸悪の根
源なのだ。だってそうだろうよ。
そもそも顔の怖さがアイキャッチとなり寝ぼけていた私の関心をひき、わざわざ
目覚めさせ、さらには服装のことにまでダメ出しされ、髪が黒過ぎると か、当
人にとっては放っとけというよな、大惨事に発展しておるのではありませんか。
どうにかしろ顔を!
でもまあ自分も1年365日「仏頂面」でウロウロしているのだよね。
愛想?何それ食えるの?みたいな、ろくでなしの処世術習得率ゼロ人間ですか
ら、人のことなどあげつらってる場合じゃないわな。
みなさま、人のふり見て我がふり直せ。でございます。
それでは、また。
しばざきとしえ
イラストレーター兼
コミックエッセイスト。
セツモードセミナー卒。
女性誌に実際の取材によるイラストルポを描いたり、自身の体験をもとに
エッセイマンガを書籍化するなど幅広く活動中。
キャラクター作家の顔も持ち、脱力系キャラ「ウサワカメ」の商品化も多数。
しばざきとしえの著書
▼コミックエッセイ
「オトナ婚」
(エンターブレイン)
▼コミックエッセイ
「離婚1年生」
(アース・スターエンターテイメント)
▼コミックエッセイ
「思春期っ子はみんなバカ!」
(ぶんか社)
▼コミックエッセイ
「めおとFX」
(パンローリング)
▼キャラ本
「フーラリフラフラウサワカメ」
(gakken)
▼コミックエッセイ
「じつはウチ、フランス婚」
(モバイルメディアリサーチ)
▼コミックエッセイ
「パパいらず」
(メディアファクトリー)