2015年10月17日(土)
「私は狐か? 夜の提灯参り」
こんばんにゃー。
しまちゃん(猫)が走り回る季節となりました。
しまちゃんの「危機管理能力」がすごいです。
ちょっと寒くなってきたなぁ~と思う今頃、換毛期にさしかかると同時に「危機管理スイッチ」が入るらしいです。
「大変だわッ」「冬きたるッ」「脂肪を蓄えなきゃいけないわッ」と、やたらとごはんを食らうようになります。
といってもしまちゃんは「もう蓄えなくてもいいんじゃないの」としか思えない肥満体型(そのお腹には一体何が入ってるんだ。。と思うくらい、、、)なので、1日に食べる量もグラム単位でがっちり決められており、毎晩デジタルスケールで1粒の誤差も見逃すまじと量られちゃってるほど の「厳重なダイエット生活」のため、所望したからといって余分にもらえるわけではありません。。
お気の毒ですが。。
いや、肥満が原因で病気になったほうがもっとお気の毒なので、いいのですが。。
早いサイクルだと5分置きくらいに「ごはんお立ち台」に飛び乗り「ごはんくだちい」モードに入っちゃ、もらっちゃ、寝場所に帰っちゃ、また所望しちゃ、を繰り返しています。くたびれるだろうになー
ちなみに、小刻みに所望するものだから、かえって1度にもらえる量は減るんですな。8粒くらいしか皿に出してもらえませんな。
これまたお気の毒ー。。。
昨年は京都で迎えた初めての冬だったのでよほど(寒暖差に)驚いたらしく、3晩くらい眠らずに部屋の中をドタバタ走り回っていました。
危機管理能力発動が強すぎて、逆に体力無駄に消耗してるんぢゃ、、、と思いましたが「やめなさい」とか忠告してやめるような相手ではないのでね。やれやれ。
人間も本来は寒すぎれば死ぬるような弱い存在なのですから、しまちゃんの鉤爪の先くらいの「危機感」は持ったほうがいいのかもねー。かもねー。そうかもねー。
とりあえず私は「アクリル100%」じゃないひざ掛けが欲しいぞ。
ひざ掛けでも服でもなんでもそうだけど、アクリル100%組成の製品を購入すると、後で必ず毛玉に悩まされるぞ。 ここ、テストに出るぞ。
相方のミズノが「面白そうなイベントがある」と騒いでいるので何かと思ったら
「夜の上賀茂神社を、提灯持って、参拝する」
という、何やら怪しげな、暗闇に紛れて何が勃発するのやら危険な香りがするような、痴漢は出ないのかとか、スリやかっぱらいの闊歩やいかに、それよか提灯って本物の火入ってんのかな? 火事になったらどーすんのかな? みたいな、そんなイベントとのことでした(いや違う)。
正式名称は
「第24回上賀茂神社式年遷宮 祝賀特別夜間参拝 提灯奉納」
だそうです。
https://www.kyokanko.or.jp/sengu2015/gyoji.html
東日本で生まれ、良く言えば「変動の街」悪く言えば「とんでもねえ軽薄短小の街」東京のど真ん中で人生のほとんど過ごした「あずもうど」「関東のへげたれ」の私にとっては
・天武天皇の代からある神社
・21年ごとにめんめんと式年遷宮
とか聞いただけで
「あひゃーーーー」と叫んでタヌキに戻ってしまう落語の小僧のように、ぶったまげる他はございません。。
歴史を持ち出されると、印籠目の前に掲げられたのと同じですから、ひれ伏すしかないんだよねえ。
そこが嫌い(苦笑。
とか言ってるけど、行けば行ったで、面白かった~。
上賀茂神社って山あいというロケーションも相まって、えらく暗いのだよね、もともと。
京都の夜はどこも暗いけど、殊更暗いと思う、かの界隈。
上賀茂の森も鬱蒼とし、分入るのをためらうような闇です。
そこを提灯の行列がしずしずと移動していく様は、
「狐か!」
とか思いましたです。
私もまた、遠目には狐か!状態だったのかな? と思うとちょっと嬉し。
(動物になりたい私)
普段は入れないご神域まで入れていただき、参拝を果たすことができました。
ああ、他所もんがノコノコ詣でてしまい、えろうすんません。これからも目立たず騒がず役にも立たず、ひっそり生息していく所存なので、迫害しないでくだちいね。
というようなことを感じざるをえないほど、
「観光客ゼロ」
「地元の人のみ」
というかんじの、ひどく「クローズ」な、それだけに温かみのある「特別参拝」でした。
生花と能の共演なんかも行われていたのですが、これまた暗闇の中、境内を流れる小川の上にて橙色の光にぼうっと照らされ「非現実感ここに極まれり」状態。
ミズノと二人で暗い森の細道を、提灯提げて戻りながら
「俺ら、一体どこにいるんだろう」
「何してんのこれ」
「死んでいるのかな」
などという会話とともに、帰路へ。
京都の闇はまったくもって、ダイレクトに「黄泉の国」を感じさせます。
東日本の人間からするとあまりの情報量と深い歴史の数々のために、一体どこから取り掛かったらいいのか分からず、自分が場違いな闖入者のような気がし、生きててすみません、一昨日来いよ、みたいな心持ちのまま、あっという間に1年過ぎたのですが、
「黄泉の国・京都」
というキーワードで今後もあれこれ出かけてみよっかな、とか、ふと思ってみたり、
えっ
ダメ?
だって京都って「死の街」(死んでいるという意味ではありません)って言葉がぴったりするけど!?(汗
ちなみに、提灯の中には乾電池と豆電球が仕掛けてありましたとさ。
それでは、また。
しばざきとしえ
イラストレーター兼
コミックエッセイスト。
セツモードセミナー卒。
女性誌に実際の取材によるイラストルポを描いたり、自身の体験をもとに
エッセイマンガを書籍化するなど幅広く活動中。
キャラクター作家の顔も持ち、脱力系キャラ「ウサワカメ」の商品化も多数。
しばざきとしえの著書
▼コミックエッセイ
「オトナ婚」
(エンターブレイン)
▼コミックエッセイ
「離婚1年生」
(アース・スターエンターテイメント)
▼コミックエッセイ
「思春期っ子はみんなバカ!」
(ぶんか社)
▼コミックエッセイ
「めおとFX」
(パンローリング)
▼キャラ本
「フーラリフラフラウサワカメ」
(gakken)
▼コミックエッセイ
「じつはウチ、フランス婚」
(モバイルメディアリサーチ)
▼コミックエッセイ
「パパいらず」
(メディアファクトリー)